美容室の集客にとって、ホットペッパーは最強?それとも諸刃の剣?
個人サロン経営アドバイザー、田村聡です。美容室の集客と言えば、まず出てくるのがホットペッパービューティーでしょう。ただし、2015年末の値上げに伴い、「コスト高」の印象は否めない・・・。ホットペッパーは美容室にとって最強の武器なのか?もしくは諸刃の剣なのか?美容室オーナーでもあった僕が徹底解説します。
ホットペッパーは最強か?
まずは、そもそも論から。ホットペッパーは美容室、サロンにとって最強なのか?この答えは、
「ネット広告としては今のところ最強レベル」
と、言わざるを得ないでしょう。ホットペッパーは元々紙のクーポン誌として始まっていますが、その後展開したネット上のクーポンサイト「ホットペッパービューティー」で、さらなるブレイクに成功。
クーポンサイトは他にも多数ありますが、やはりある程度の広告費をかけた時、費用対効果は高いです。
テレビCMなどを通じて、サイト自体に人が集まっている。知名度も高い。そして何より、SEO(検索エンジン対策)に多大な費用をかけているので、検索も最強。
ただしあくまで、「ネット広告としては」という話です。
サロンの集客というのは、ネット広告以外にも沢山あります。ホットペッパーは1つの選択肢であって、全てではありません。まずは、あなたに合った集客方法を選ぶことが先決です。
サロンの集客に迷っている方は、
を参考にしてみましょう。
ホットペッパーは諸刃の剣?
「ホットペッパーの集客力は分かる。でも、デメリットはないの??」
という方もいらっしゃるでしょう。モチロン、あります。(笑)
では、ホットペッパーは「諸刃の剣」なのか?というと、そこまでのデメリットはないにせよ、リスクは伴うものです。
諸刃の剣とは、一方では非常に役立つが、他方では大きな損害をもたらす危険もあるというたとえ。また、相手に打撃を与えるが、自分もそれと同等の打撃を受けるおそれがあるというたとえ。
出典|古事ことわざ辞典
まず、掲載は最短で3ヶ月単位。他6ヶ月、12ヶ月というプランに分かれます。契約期間に伴って、掲載費用の割引があるので、現実的には半年以上の契約がほとんどです。
そういう意味では、
「固定費が上がる」
というデメリットは避けられません。また、難しいのが、
「新規は順調に集まっているけど、リピートが伸びない。」
というパターンです。モチロンこれは対策が出来ますが、このまま放置するサロンは、
「掲載をやめたいのに、新規が減るのが怖くてやめられない。」
という状況に陥ります。
ホットペッパーで重要なのは「集客数」ではなく、「リピート率」
前章に続く話となりますが、結局、大切なのは、
「何人集まったか?」ではなく、「何人が固定客になったか?」
という点です。
これは、ホットペッパーに限った話ではありません。美容室(他のサロンも)での集客を考える時、多くのオーナーは、
「かけたコストに対して、新規は十分に集まったか?」
という部分でのみ、費用対効果を考える傾向が強いです。僕も経営者の端くれですので、お気持ちはよく分かります。
でも、コレは思いっ切り間違っているのです。本当に重要なのは、
「来店頂いた新規のうち、何%がリピートされ、固定客になったか?」
という点。あまりに基本的な事ですが、見失っている方は少なくありません。
たとえばホットペッパーに広告費を投入して、毎月20人の新規が集まったとしましょう。年間にすれば、240名の新規客です。
仮に、この内200名が固定客になれば、単純に翌年からは、
「客単価 ☓ 200名 ☓ 年間来店回数」
上記の売上分が上乗せされます。単価1万円。年6回の来店で、年間1200万円です。
ところが、最初の240名のうち、20名だけが固定客になる場合。年間120万増にとどまります。
それでも年商でいえば増加していますが、やはり広告費とのバランスを考えると、
「やめたい広告でもやめられない。」
という状況に陥るのではないでしょうか?
どうやってリピーターを掴むのか?
ここで気になるのは、
「いかにしてリピーターを掴むのか?」
という1点です。満足頂ける技術・サービスの提供はモチロン大前提ですが、リピート増加にはそれなりの対策があります。
たとえばホットペッパーの中だけでも、
「特定の条件で顧客を抽出してメッセージを配信する」
という機能がありますが、意外なほど使いこなしているサロンは少ないのが現状です。たとえばベタなところでは、
「失客している方に限定クーポンを配信」
などもカンタンにできます。
実はコレを上手く活用しただけで、2ヶ月で60名以上の戻りがあった美容室もあるのです。
また、今ではさらに機能が向上しています。
「来店サイクルから外れている顧客にのみメッセージする」
などという事もカンタンに出来るようになっています。ぜひ、こういった機能は活用すべきです。もし「やり方が分からない。」という場合は、ヘルプデスクに電話すれば丁寧に教えてくれるのですから。(笑)
もちろん、ホットペッパー内部に限らず、他の部分でもリピート対策は色々とあります。
逆に、ホットペッパーの内部対策に頼り切るのはキケンです。
今スグに取り組めるモノとしては、DMの工夫やニュースレター、独自のメルマガやLINE@の配信などですね。
関連記事|
お得感だけで釣ろうとするからリピートしない?
ホットペッパーに初めて取り組む方がよくやってしまう間違いに、
「とにかくお得感を出さないと!」
というモノがあります。これは営業担当や、「クーポンは定価から割引すること」というルールを敷いたリクルートにも責任がありますが、過剰な「お得作戦」は自爆します。
「とりあえず、お得に見せておけば来てくれるだろう。」
という考えは、捨てるべきです。確かに、クーポンで安く設定すれば新規数は伸びやすい傾向にあります。
また、いきなり高価格帯オンリーで勝負するのはリスクが伴います。
しかし、「お得感」を前面に打ち出して集客した人は、当然ながら定価でのリピートは下がるのです。
割引は程々にしておいて、
「自店の魅力が十分に伝わる工夫」
を徹底的に考えましょう。写真1つ、クーポン名1つで反応は変わるのですから。
関連記事|
ホットペッパーの新規はリピートしない?
「そもそも、ホットペッパーの新規はリピートしないんでしょ?」
なんていう声をたまに聞きますが、これは間違った認識です。確かに、「同じサイト上で比較される」という事は避けられません。
しかし、「初回限定価格」ばかりを狙って巡回しているような客層以外は、きちんとご満足頂いた上でリピート対策を怠らなければ、普通にリピートされます。
考えてもみて下さい。普通は、そんなにコロコロとサロンを変える事のほうがタイヘンですし、ストレスなのです。
ホットペッパーを上手く利用しつつ、ゆるやかな脱却を
ここまでホットペッパーについてお話してきましたが、「卒業」も視野に入れておきましょう。
現実的には、上手く集客とリピートが回っているサロンほど、「やめたい」とは感じていないでしょうし、そもそも「やめる理由」もないでしょう。
費用対効果が十分あがっているなら、掲載しておけば新規は集まるワケですし。そこから固定客が増えているなら、永遠に掲載を続けたいと思うのが普通です。(笑)
ただし、今の状況がどこまで続くか?は未知数なのです。
今のところ、まだホットペッパー内は好景気と言えます。でも、いつまでも今のままとは限らない。そう考えると、
「1つの集客手段に依存しすぎる。」
というのは良い選択とは言えません。たとえば、今の良い状態が続いたとして、
「価格を1,5倍にします。」
とリクルートが言えば、それは実現してしまうのです。(実際には2015年に値上げを行ったので、しばらくは無いでしょうが。)
そういう意味では、
「ゆるやかな脱却も視野に入れておく。」
というのは、非常に大事なのではないでしょうか?
「ホットペッパーは活用するけど、他の手段も検討したり実験する。」
特にある程度、ホットペッパーからの集客が安定しているサロンこそ、こういうスタンスを保ちたいものです。
とはいえ、これだけ高機能かつ集客に有力な手段を「使わない」というのはモッタイナイ話。広告費の予算を取れる場合は、チャレンジしたい広告と言えます。
ホットペッパー関連記事|
1日5分で学べる!【1人サロンで月商100万を達成する!】無料イラストワーク付きeBook
個人サロンで月商100万、年商1000万オーバーのサロンを多数輩出!!そんなノウハウのコアな部分を、このeBookにまとめました!